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- 2018.07.02 Monday
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さてさて、この度なんだかよく分からない内に客演ということで、
いやぁ、前回あんな濃い人たちがズラズラと客演だったので、次回はどうなるのかと思っていたのですが、ひょんなことからこんなことになってしまって、一番困ったのはあんなに美男美女が揃っているというのに、「なんでお前なんだ?」と首をかしげられないか心配で心配で、夢も見ないくらいグッスリ眠れる夜を過ごしておりました。
いざ幕があがったら「弾正」と受け入れていただいて非常に感謝感激いとをかしでした。
さて、特に一番印象に残った・個人的に好きなシーンは、
お話の前半くらいで、奈緒に「お茶を入れてくれ」と頼むところです。
「なんでもします」という奈緒の言葉に暴走する左手くんを隠しつつ(ad)「茶が飲みたい」と言い、準備のために彼女が弾正の後ろを通り過ぎようとしたその時、「奈緒」と呼び止めて「なんだか、元気がないな」と一言。
「弾正さまに言われたくありません」と軽妙さと少しのさみしさを匂わせたような言葉を背中で受けて、
「確かに、それもそうだ」
と、軽く笑って返す弾正。
このシーンが個人的にはとても好きな所です。
実は「確かに、それもそうだ」と本編では言ってますが、台本では「確かに、その通りだ」となっています。
稽古中ただ単に間違って「それもそうだ」と言ってしまったのですが、いつしか、彼女の言葉に対する反応や、自分(弾正)の性格上「それもそうだ」の方が言い放ちやすいなと稽古を重ねる上で思い、演出に指摘されるまでこのままで行こうと決めたのです。
ここはわかりやすさを普段基本にしている自分とはかなり真逆にしました。
「誰にもわからなくていい、奈緒にさえ伝われば」というくらいにです。
普段仲の良い二人の会話でやれたらいいなって思ってやってました。
稽古中から本番終わりまで後ろにいる彼女の表情やら何やらは一切見ていません。
劇中首を横に降っていますが、何も見えていません。
でも「元気ないな」と言った後での、彼女のさみしさや、ごまかしが背中からとっても伝わってきて、元気がないのにそういう振る舞いを背中で見て、「確かに、それもそうだ」と話を合わせてその場をやり過ごす。
お互いよくわかっているのに、なんでこうもごまかし合うのか、似たものどうしというのは、なんでこうも遠回りしてしまうのか、そんなことを考えながら、やってましたね。
そして、例の頭ポンポン。
いやぁ難しかった。大変でした。毎回違うんです。あそこ。
咲をその場から遠ざけて「すまんな」からのあそこまでの時間と空間が毎回違うんです。
どのシーンにもそれはあるのですが、それが顕著に表れていました。
ほんとに一つとして同じ時はありませんでした。
毎回右手、震えてました。
なんなら一度自分で右手を見るところからです。
ほんと咲に教わったことを「やってみるか」と試みた初めての出来事ですね。
頭に触れる直前まで「これでいいのかな」「でもこれで元気が良くなるなら」「でもほんとにこれでいいのか」とぐるぐるしながら、
トン
あ、触れちゃった。みたいな感じでした。
というかね、異性に触れるというのがね、なんとも恥ずかしいのですよ。実は。
しかも大勢の前でですよっ。それっぽい顔してやってますが、こちとら一大事なんですよ。
音を全部やってくれていたほーけんなら気兼ねなくボコスカできるんですがね。
ちゃーはんの頭触る瞬間なんて「やべぇ、こわれたらどーしょ」とか「『違う、そうじゃない』って怒られないかな」って心情的には弾正と同調律高めのほぼ同一でした。
また音やってるほーけんがすんごい良いタイミングでBGMの音量上げてくるんですよ。「はよいけやっ」みたいな感じで。
あそこはほんとうに観てくださったみなさんと、おんなじ気持ちでドキドキしてました。
備忘録とは言いつつも全部書いたらキリがないので、最後に、
弾正がいた信貴山城の場所、奈良県生駒郡(信貴畑)ですが今では観光名所になっておりまして、
信貴生駒スカイライン 花スポット
http://www.kintetsu.co.jp/leisure/skyline/flower/
春には桜・菜の花・ツツジ、夏にはあじさい・ひまわり、秋にはコスモス・紅葉、冬には椿と、年中花の絶えない場所でした。
弾正のいた当時にこれほど花があったのかはわかりませんが、誰かが言い間違えた「華の城」というのは、あながち間違えではなかったと思ったのです。
そしてもう一つ、弾正が信長に攻め入れられた天正5年10月10日、西暦では1577年11月19日にはコスモスや綺麗な紅葉が観られたのかもしれません。
そこで弾正は「もしできることなら、もう一度、奈緒と一緒に桜が観てみたいな」と思ったことでしょう。
もしかしたら、未来に行った二人が最初に望んだものはそれだったのかもしれません。
もうすぐその季節はやってきます。
関係者のみなさま、そしてご覧になった大勢のみなさま、
もし、満開に咲いた桜の下を歩かれる際に、あの二人がその辺を仲良く散歩しているかもしれませんので、静かに見守ってやってください。
ほんとうに、ありがとうございました。
また、どこかで、ね、